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人は彼女を活動家と呼ぶ / They call her an "Activist"

活動家:誰かが片手に握ったマイクをペンライトに持ちかえただけの、 只の人の意。EXOにハマりGOT7を愛で、防弾少年団を口ずさむ。

[REPORT]GOT7サイン会ウォーズ:エピソード0(ゼロ)~蚕室の狂った磁場~後篇

前篇・中篇をまだお読みでない方はこちらから

 

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〜<MAD>活動までにサイン会ブログ完結させたいよ〜

 

 

[5行で分かるあらすじ]

在宅オタとしての活動が長かったおまるが、ついに森を飛び出した!

向かう先は蚕室(チャムシル)のCD屋、サイン会に行くためにCDをいっぱい買うのだ。

無事に売り場に着いたはいいものの、何枚買っていいかわからない。おっとっけ!

正気を失い朦朧とする意識の中、いつの間にか自作の韓国語ラップを呟きだす始末…

おい、おまる、はよCD買えよ!!!閉店時間もうすぐやぞ!!

 

 

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(ラップを紡いだ直後の脳内) 

 

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「で、結局買うの買わないの??」byヨンケイakaキャナダ

 

 

おま「もう…分からへん…何枚買ったらええのや…」

 

にわかに周囲の空気が薄く感じられ始める。

このまま、ここで消費社会の藻屑と消えるのか……

 

 

おま「…ライフライン使います」

 

 

どうにも埒が明かなくなったおまるは、困ったときの友、ここの管理人を含むアラサーLINEに相談することにした。

 

おま「皆…わし…何枚買ったらええか分からんようなった」

  「どうしよう」

  「もう帰ろうかな」

 

めん「何枚買うと安心なん?」

 

おま「分からん…30枚とか?それでも危ない気もする…」

  「一枚14000wやから、45000円位やな」

 

めん「45000円か…私の神話とおまるのがっせの熱量が同じやと考えてみる」

  「CDじゃなくて普通に45000円払いたいところやな」

  「行く、私なら行くわ」

 

おま「めんにむ、行くか。」

  「でも45000円か…こんなにアイドルにお金つこてええんやろうか…」

 

鮎 「おま、いま韓国なんやったら、日本から飛行機代出して行くこと考えてみ」

  「飛行機代入れて45000円や」

 

おま「!!!!!!!!」

  「天才現る…!!」

 

 

鮎とめんにむの後押しもあり、にわかに大量購入への意気が上がるおまる。

ここで、おまるの実姉むすび丸参上。

 

むす「そこは40枚買いなよ」

  「もうチャンスないかもしれへんし」

 

ゆるキャラの姉むすび丸の発言も、この時ばかりはおまるを清水の舞台から飛び降りさせる、鶴の一声が如く響いた。

 

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(3日ぶり2回めの鶴)

 

 

(たしなめられこそすれ、積極的に購入を後押しされるやなんて)

(持つべきものは、活動家精神あふれる友と姉やで…)

(ありがとう、アラサーLINE部屋)

 

おまるは、意を決してCD屋のカウンターに…ではなく、ファジャンシル、平たく言えば便所に向かった。

決戦を前にして、膀胱が悲鳴を上げ始めていたのだ。

 

ロッテワールドモールのトイレ個室(綺麗)で、息を整える。

今一度、財布の中の現金を確認する。

一気に数万の買い物をすることは平素滅多にないため、

自分のカードが信用できず、もしもの時のために、多めの現金を持参していたのだ。

 

(現金は変わらず財布の中にある)

(もうすぐグッバイフォーエバーだがな)

(…よし、いざ、行かん!)

 

トイレを飛び出したおまるは、まっすぐにCD売り場のレジを目指した。

さながら、一世一代の大勝負に向かう孤高の剣士、宮本武蔵である。

 

武蔵は巌流島の戦いにわざと遅れた一方で、

おまるのCD購入遅延は全く故意でないという違いはあるが、

前にも言ったように、おまるは細かいことは気にしない性分であった。

 

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おま「待たせたな……!!」  店員「誰」

 

 

時刻は既に午後9時過ぎ、最終締め切りの10時を前に店舗は数多くのアガセで賑わっていた。

 

レジで注文をし、カードを切る。

それまでの逡巡に逡巡を重ねた数時間にくらべ、余りにもあっけないレジでのやり取り。

数万の買い物に耐えたおまるのカードが、手に戻ってくる。

 

(おまえ、よう頑張ったな)

 

カードケースをそっと胸元にしまう。

 

右を向くと、レジ横にうず高く積まれたダンボールが見える。

サイン会用に準備されたCDの山である。

 

その内一つの段ボールを、売り場のおじさんが指差す。

 

おじ「これ一箱、持って帰れるの?」

おま「はい、持って帰りま。」

おじ「重いけど…?」

おま「いや、記念?になるかと思って…?」

 

思考能力の急激な落ち込みに襲われていたおまるは、

CDワンボックスがどのくらいの重さになるのかについて完全に見誤っていた。

 

<딱좋아>が詰まった段ボール箱は「記念」どころでですむ話ではない、トンデモな重さだったのである。

 

両手に抱えた段ボール箱はずっしりと重い。

否、

ずっしりどころではない。

おまるの腕筋の限界を遥かに上回る、重力への呼応が感じられる。

歩いて6歩目で脂汗がにじむのが分かった。

 

とりあえず、エスカレーター付近のベンチで一旦無情なその荷物を下ろす。

奇しくも、PM先輩の広告の前だった。

 

「旅行を始めましょう」の「始める(시작하다)」を同じ音の漢字「詩作」に掛けたロッテ免税店の広告。

 

(ああ、このダンボール一箱で旅行できたよな)

(今となってはただの重い箱)

(わし、家まで帰れるんかな)

 

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先輩方と、後輩のCDが詰まった段ボール

 

午後先輩は、ロッテモールの末端で途方に暮れるがっせぺんの気持ちなど露知らず、

笑顔で詩作に励んでおいでだった。

グッバイ旅行……グッバイ詩作の嗜み…グッバイ午後先輩…。

 

再びダンボールを持ち上げて駅に向かう。

その重さ持ちにくさに何度も持ち替え、その度にバランスを崩す。

ロッテワールドに、蚕室駅に繋がる地下道が、果てしなく長く感じられる。

 

思えば、4000wで配送を頼めたCDをわざわざ持って帰るのは、

他でもない、日本で待機のアガセ友にそそのかされたからである。

 

菜姐「重いCD持って帰ってきてよwww」(帰省中のため実家よりLINE)

友1「wwおま〜、一箱抱えて帰りなよw地下鉄でアジュンマに声かけられてきて!」

  「イケメンに声かけられるかもよ」

 

この、他人事極まりないアガセ友は、親身になってサイン会情報を収集してくれた友でもある。昨日の友は今日の敵とはよく言ったものだ。

 

リアルにイケメンが助けてくれると思うほど、おまるの脳内は花畑でなかったが、

まあ、面白いしいっちょ担いで帰ったろか、位のノリだったのである。

思い返せば、自らのノリと見切り発車に、後悔することの多い人生を送ってきた。

 

そんなことよりも、脂汗を流しながらよろよろと歩く姿をアガセに目撃され、現地巨大掲示板に書き込まれでもしたら大変である。

 

[NEW] CDワンボックス買ったアガセが蚕室駅で行き倒れてた件

 

これだけは何としてでも避けたい。その心配が先に立つ余り、おまるはフラフラとなりつつも、けして倒れることはなかった。 

 

〜15分後〜

 

永遠にも思われた地下道を抜け、おまるは地下鉄2号線のホームにいた。

首元は脂汗、腕はすでに震えが慢性化している。

しかし、ここまで来たら帰ったも同然。蚕室の長い地下道を抜けた我にもはや敵なし。

 

運良く席に座れた地下鉄で、はたして、誰もおまるに声をかけることはなかった。

イケメンはもちろんのこと、声をかけてくれる優しいアジュンマも居なかった。

 

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この冷たい都会では、誰もあたいのことなんて助けてくれやしないさ

 

 

誰の手を借りることもなく、なんとか最寄り駅まで着いたおまる。

駅前からの近距離をバスに乗り、腕を足を肩を震わせながら家に到着。

放り出した段ボール箱には、もはや愛着すら沸いていた、共に闘った、近くて遠い旅路。

 

部屋に戻りソファーにもんどり打って倒れこむ。

既に、腕は筋肉痛が始まっている。

言い忘れていたが、おまるの筋繊維は、人並み以上に敏感であった。

 

忘れない内に、と二度と持ちたくないダンボールを瀕死の力を振り絞りもう一度担ぎ、体重計に乗る。何としてでもこいつの重さを確かめないことには。

 

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震える腕を抑えつつ、3ケタの筆算にもつまずくほど低迷を見せた意識の跡。

 

結果、<딱좋아>ワンボックスは、16.9キロという結果を得た。

 

ベビーカーはおろか一本の抱っこ紐も無しに、赤子2人を抱えて帰ってきた計算になる。

双子であるおまるは、若かりし頃の母が自分たち二人を抱いて奔走する姿を一瞬思い浮かべた。母は偉大である。

 

ロッテワールドモールで開封の儀を行っていた少女を見習いトレカをチェックするどころか、

腕がまともに動作をしなくなっていたため、

その後このダンボールは玄関の片隅で、数日間放置されることになる。

 

翌日、おまるの腕と脚には、数カ所のあざ、

全身には激しい筋肉痛が訪れた。

その痛みはサイン会が終わっても去ることがなかったという。

 

これを読んだ皆さんには、CD大量買いの際は是非キャリアーを店に持参することを強くおすすめしたい。というか、郵送一択。己の馬鹿さに晩夏の風が染みる。

 

眠りにつく前のおまるは、その日、この夏一番の汗をかいたことに気づく。

 8月31日、彼女の夏は、大量のCD購入および運搬という死闘で幕を閉じた。

 

 

****************

 

翌日、月が変わって9月1日、午後3時。

 

筋肉痛で四肢の動き一つままならないおまるは、這々の体で携帯を握りしめていた。

サイン会当落発表の時刻だった。

 

昨日は帰宅後、痛む身体を抱え煩悶に明け暮れていた。

果たして自分はワンボックスで当選できるのか。店舗での直購入とはいえ、海外ファン枠の自分は現地ファンより多くを買わねば当選できない。

 

闇の組織aka代行を通じてもいないため、彼らの言う「水面下の努力」は自分には適応されない。誰かが自分と同じ枚数を買っていたなら、恐らく自分が落選するだろう。決死の強行軍from蚕室to我が家は、戦場の塵と化すのか否か…

 

元々震えがちな指が更に震え、リロードを繰り返す。

と、<サイン会当選者>の文字が表示された。

 

はやる気持ちを抑える気など最初から無く、

超スピードで画面をスクロールする指。

 

三文字の国内ペンの名前が並ぶ中、海外ファンの名前は文字数が多いため容易に発見できる。

リストの中ほどに、自分の名前を発見する。

肩の力が抜けた。昨日のあれこれを、友人に掛けた心配を、無駄にせずにすんだ。

嬉しいというよりも、詰まった喉にやっと空気が入るような、そんな感覚だった。

 

一蓮托生を誓ったアガセ友の名前も、無事そこにあった。

「当選したよね?」とLINEが来ていた。

お互いホッと胸をなでおろす。

やっとサイン会当選までの道a.k.a.苦難のデスロードが終わった。

 

…否。断じて否。

道のりは終わってなどいない。

なんならまだ始まってもいないのだ。

 

明日、GOT7に会える。サインがもらえる。

 

とりあえずやることは、と考えておまるは、近所の美容室の門を叩いた。

「ベムちゃんに髪の毛を触ってもらう」という当初の目的を、彼女は忘れていなかったのだ。

 

 

サイン会は、明日。

 

 

 

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苦節数年、やっと(サイン会に)当選いたしました。

これもひとえに皆さまのお陰でございます。

 

サイン会によく行く人からしてみれば、

♬何でもないようなことが〜

♬立ちはだかっては消える〜

そんなサイン会初心者の旅。

 

次回、当日レポでやっと完結です。 

当たるまでが長すぎるという突っ込みは受け付けないよ!

(むしろ当たるまで過程の方が印象深いものである)

 

 

 

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ポロロ「これ、サイダーと見せかけて焼酎やで」

 

 

まだ元気だったおまるが、ロッテワールドモールの入り口で撮ったポロロくんでさようなら。